寄付してはいけない団体とは?その特徴や見分け方を紹介

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何かしらの社会課題に関心を持ち、寄付を考えている方にとって、”どの団体に寄付するか”を選ぶのはとても重要な課題です。

寄付が本当に必要とされるところに届き、有意義に使われることを願う一方で、詐欺や不正利用に遭ってしまうこともあるかもしれません。

本記事では、寄付してはいけない団体の特徴や信頼できる団体を見分けるポイントについて詳しくご紹介したいと思います。

寄付してはいけない団体の特徴

寄付先を選ぶ際、特に注意が必要な団体の特徴を以下に挙げます。これらの特徴を持つ団体には寄付しないようにしましょう。

法人格を取得していない

法人格を取得していない団体は、信頼性に欠ける場合があります。法人格とは、法律上の権利義務を持つ資格のことで、これがないと団体としての信頼性が低いと見なされることが多いのです。

以下に主な法人格の種類を挙げてみましたので、ぜひ参考にして下さい。

一般社団法人

一般社団法人は、営利を目的としない法人で、主に社会貢献活動を行う団体です。設立には定款の作成や役員の選任などの手続きが必要であり、法務局に設立登記を行うことで法人格を取得します。一般社団法人は、社員(構成員)の意思決定に基づき運営され、財務状況の公開義務があり、透明性が高いことが特徴です。

公益社団法人

公益社団法人は、一般社団法人の中でも特に公益性の高い活動を行う団体です。公益性が認められると、内閣府または都道府県知事から公益認定を受けることができますし、公益社団法人は、寄付金控除の対象となるため、寄付者にとってもメリットが大きいです。活動内容や財務報告の透明性が求められ、高い信頼性を持っています。

一般財団法人

一般財団法人は、個人や法人からの寄付をもとに設立される非営利法人で、特定の目的に資金を充てるために設立されます。一般財団法人も設立には定款の作成や役員の選任などが必要で、法務局に設立登記を行うことで法人格を取得します。財務状況の公開義務があり、透明性が高いです。

公益財団法人

公益財団法人は、一般財団法人の中でも特に公益性の高い活動を行う団体です。公益社団法人と同様に、内閣府または都道府県知事から公益認定を受けることで、公益財団法人として活動できます。寄付金控除の対象となり、寄付者にとっても大きなメリットがあります。高い透明性と信頼性を持ち、公益性のある活動に専念しています。

NPO法人(特定非営利活動法人)

NPO法人は、特定非営利活動促進法に基づいて設立される法人で、主に社会貢献活動を行います。設立には、所轄庁への申請と認可が必要で、財務状況や活動内容の公開義務があり、透明性が高いです。また、”認定NPO法人”に認定されると、寄付金控除の対象となり、寄付者にとってのメリットも増します。

これらの法人格を取得している団体は、法的に認められた活動を行っていることが保証されており、信頼性が高いといえるでしょう。

財務状況を公開していない

非営利団体が信頼を得るためには、財務状況の透明性が不可欠です。

財務状況を公開することにより、寄付者や支援者はその団体が適切に資金を管理し、目的に沿った活動を行っているかを確認することができます。以下に、非営利団体が公開するべき財務情報の種類とその公開場所について詳しく説明します。

公開すべき財務情報の種類

  1. 収支報告書
    • 収入と支出の詳細を記載した報告書です。寄付金や助成金の収入、活動費や運営費などの支出項目が明確に示されます。
  2. 決算報告書
    • 会計年度末の財務状況をまとめた報告書です。貸借対照表(バランスシート)や損益計算書(収支計算書)を含み、団体の財務状態を総括的に把握することができます。
  3. 事業報告書
    • その年度の活動内容や成果を記載した報告書です。具体的なプロジェクトや事業の進捗、達成目標などが記載され、寄付金がどのように使われたかがわかります。
  4. 会計監査報告書
    • 外部の会計士や監査法人による監査を受けた場合、その報告書も公開されます。これにより、財務報告の正確性や信頼性が保証されます。
  5. 寄付金の使途報告
    • 特定の寄付金や助成金について、その使途を詳細に報告する書類です。寄付者が自分の寄付金がどのように使われたかを具体的に知ることができます。

公開場所

非営利団体は、以下のような場所に財務情報を公開しています。

  1. 団体の公式ウェブサイト
    • 最も一般的な公開場所です。団体のウェブサイトには、「財務報告」や「活動報告」のセクションが設けられており、そこで最新の財務情報を閲覧できます。
  2. 年次報告書
    • 一部の団体は、年次報告書として印刷物やPDF形式の報告書を作成し、ウェブサイトにアップロードしたり、支援者に郵送したりしています。
  3. 内閣府や所轄庁のウェブサイト
    • 認定NPO法人などの場合、法的義務として内閣府や所轄庁のウェブサイトにも財務情報を提出し、公開されることがあります。これにより、第三者による確認が可能です。
  4. 寄付募集ページ
    • クラウドファンディングやオンライン寄付プラットフォームを利用する場合、そのページでも財務情報や活動報告を公開することがあります。寄付者が簡単にアクセスできるようにするためです。
  5. 活動報告会や説明会
    • 一部の団体は、定期的に活動報告会や説明会を開催し、その場で財務報告を行います。参加者に直接報告することで透明性を高めています。

主要スタッフの顔や名前が公開されていない

自分の大事なお金を寄付するわけですから、どんな人々が働いていて、代表はどんな経歴や実績があるかは気になりますよね。

信頼できる団体は、主要スタッフの顔や名前を公開しています。代表や理事がどういった想いでこの団体を創り、どのような原体験があったのか。またスタッフの方がなぜ今この団体で働いているかなど、団体の中が垣間見れるような情報開示を行っているかを見るようにしましょう。

ホームページやSNSが更新されていない

この時代において、ホームページやSNSの更新は団体の活動状況を示す重要な手段です。こうした情報が定期的に更新されていない団体は、活動が不透明または停滞している可能性があります。

定期的な活動報告がない

信頼できる団体は、定期的に活動報告を行っています。これがない団体は、寄付金の使い道が不明瞭な場合が多いです。

中にはアニュアルレポート(=年次報告書)という名称で活動の報告を行っている団体もありますので、ぜひ読んでみるようにしましょう。

メディアに取り上げられていない

メディアに取り上げられている団体は、第三者からの評価を受けているため信頼性が高いといえます。

メディア掲載実績以外にも、表彰/受賞歴やクラウドファウンディングの実績、出版した書籍や協力団体などもチェックするようにしましょう。

団体の一貫性と支援状況

さらに、以下のようなポイントにも注意することで信頼性を評価するための基準が底上げされます。

理念と活動の一貫性

団体の理念と実際の活動が一致しているかを確認しましょう。理念に基づいた活動を行っている団体は、寄付金を適切に使う可能性が高いです。一貫性がない場合、その団体は信頼できない可能性があります。

活動期間の長さ

活動期間が長い団体は、それだけの実績があるため信頼性が高いと言えるでしょう。設立して間もない団体の場合には、過去の実績や代表者の経歴を確認するようにしましょう。活動期間が短い団体には注意が必要です。

企業や財団からの支援状況

企業や財団からの支援がある団体は、信頼性が高いことが多いです。支援者は団体の活動を評価し、信頼性を確認した上で支援を行っています。支援がない団体は、その理由を確認する必要があります。

寄付をする際の注意点

最後に、実際に寄付を行う際に以下のポイントに気をつけながら行ってみてください。

これらのポイントを確認することで、寄付金が適切に利用され、最大限の効果を発揮することを確保できるはずです。

寄付の使い道を確認する

寄付を行う前に、寄付金がどのように使用されるのかを確認しましょう。具体的な使途が明確に示されている団体は、信頼性が高く、寄付金が効果的に活用される可能性が高いです。団体のウェブサイトや年次報告書などで、過去の寄付金の使い道を調べることができます。

節税対策を確認する

寄付が節税対策の対象になるかを確認することも重要です。NPO法人への寄付は寄付金控除の対象となりますが、認定NPO法人への寄付はより高い控除を受けられる場合があります。寄付を行う際には、寄付先の団体が寄付金控除の対象となるかを確認し、必要な手続きを行いましょう。

SNSでの募金は避ける

SNSでの募金活動は詐欺のリスクが高いため、避けることが推奨されます。信頼できる団体の公式サイトや公認の寄付プラットフォームから寄付を行うことで、寄付金が適切に使用されることを確保できます。公式サイトでは、団体の信頼性や財務状況を確認することも容易です。

これらのポイントを確認することで、寄付金が適切に使われ、社会課題の解決に貢献できるようになります。寄付を行う際には、慎重に団体を選び、信頼性と透明性を確認することが重要です。

まとめ

寄付を通じて社会課題の解決に貢献したいと考える方にとって、寄付先の選定は非常に重要です。本記事で紹介した寄付してはいけない団体の特徴や信頼できる団体を見分けるポイントを参考に、安心して寄付を行いましょう。

寄付は小さな行動でありながら、大きな社会貢献に繋がる素晴らしい行為です。適切な団体を選び、あなたの寄付が本当に必要なところに届くよう願っています。


寄付活動を始めるためのガイド

寄付活動を始めるための具体的なステップを紹介します。寄付先の選定から実際の寄付方法、そして寄付後のフォローアップまでを包括的に解説します。

ステップ1: 寄付先の選定

寄付先の選定方法について、信頼できる団体を見つけるための詳細なガイドラインを提供します。具体的な質問事項やチェックリストを含めます。

ステップ2: 寄付方法の選択

寄付方法には様々な選択肢があります。銀行振込、オンライン寄付、現金寄付など、それぞれの方法の利点と注意点を解説します。

ステップ3: 寄付後のフォローアップ

寄付後に行うべきフォローアップの重要性について説明します。団体からの活動報告を確認し、寄付金がどのように使われたかを把握する方法を紹介します。

最後に

寄付は、社会に対して大きな影響を与えることができる素晴らしい行動です。しかし、適切な寄付先を選ぶことが非常に重要です。本記事を通じて、皆さんが信頼できる団体を見つけ、安心して寄付を行えることを願っています。

これからも寄付活動を通じて社会課題の解決に貢献していきましょう!

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投稿者: FIRST DONATE編集長 髙崎

非営利団体のファンドレイジング/広報支援を生業とするDO DASH JAPAN株式会社スタッフであり、FIRST DONATE編集長。 自身の体験を元に、寄付やソーシャルグッドな情報収集/記事制作を得意とする。