コンテンツへスキップ
FIRST DONATE

FIRST DONATE

寄付で闘う。未来をよくする。

  • 【活動テーマ/地域別】非営利団体ライブラリ
  • FIRST DONATEとは
  • 運営会社 | お問合せ
    • 記事寄稿のご案内
    • あなたの団体を取材させてください!
  • 【活動テーマ/地域別】非営利団体ライブラリ
  • 運営会社 | お問合せ

アフガニスタンの子どもたちと女子教育問題——紛争と貧困の中で生きる女の子の「未来」とは?

アフガニスタン東部の小さな村。
朝の光のなかで、少女マリヤム(仮名)は教科書を胸に抱え、学校へ向かっていました。

読み書きができるようになったことで、
「いつか看護師になりたい」という夢を語るのが彼女の日課でした。

しかし、ある日突然、学校の門の前で彼女は立ち止まります。

「女の子はこれ以上、学校へ通うことはできません」

その日、教室から女の子の姿は消えました。
マリヤムの夢も、ノートの上で止まったままでした。

これは遠い国の出来事のように聞こえるかもしれません。
けれど、いまアフガニスタンでは、
数百万人もの少女が“教育”という当たり前を奪われたまま 生活しています。

今回は、「アフガニスタンの子ども」「女子教育」「貧困」「支援」
に焦点をあて、その現状と背景、そして私たちが知るべきことを深く掘り下げます。

目次

  • 1 ■ アフガニスタンとはどんな国か
    • 1.1 1. 基礎データと社会背景
  • 2 ■ 女子教育の禁止——世界で最も深刻な「教育危機」
    • 2.1 2. 女の子が学校に行けないという現実
    • 2.2 3. 女の子だけが閉じ込められる社会構造
      • 2.2.1 ● ① 児童婚の増加
      • 2.2.2 ● ② 女性の就業率の低下
      • 2.2.3 ● ③ 貧困の世代間連鎖
      • 2.2.4 ● ④ 社会そのものの停滞
  • 3 ■ 子どもたちが直面しているその他の危機
    • 3.1 4. 極度の貧困と栄養不良
    • 3.2 5. 医療へのアクセス不足
    • 3.3 6. 紛争・爆発物の脅威
  • 4 ■ 国際社会はどんな支援をしているのか
  • 5 ■ 日本からできること
  • 6 ■ おわりに——少女たちの未来を閉ざさないために

■ アフガニスタンとはどんな国か

1. 基礎データと社会背景

アフガニスタンは、南アジアと中東の交わる地域に位置し、
長年にわたる紛争と政治的混乱のなかにあります。

  • 人口:約4,000万人(うち子どもは約半数)
  • 世界最貧国のひとつ(GDPは極めて低い水準)
  • 医療・教育・福祉が慢性的に不足

特に2021年以降、政権交代によって国内の状況は急激に変化し、
国際社会からの支援も縮小したことで、
子どもや女性が最も深刻な影響を受けています。

■ 女子教育の禁止——世界で最も深刻な「教育危機」

2. 女の子が学校に行けないという現実

アフガニスタンでは、政権交代後に
中学校・高校・大学への女子の通学が段階的に禁止 されました。

  • 約120万人の女の子が学校へ通えない状態
  • 世界で唯一、“女性の教育を制度的に禁止している国”

教育とは、ただ読み書きを学ぶだけではありません。
「自由」「尊厳」「未来を選ぶ力」を身につける行為そのものです。

しかし、アフガニスタンではその「当たり前」が消えています。

3. 女の子だけが閉じ込められる社会構造

女子教育禁止は、以下の深刻な問題と直結します。

● ① 児童婚の増加

学校へ通えない → 家にいる → 「結婚させるべき」という社会圧力
結果として、10代前半での結婚が増える傾向 にあります。

● ② 女性の就業率の低下

女性が働ける場所が極端に制限され、「経済的自立」が完全に閉ざされる。

● ③ 貧困の世代間連鎖

教育がない → 働けない → 貧困が続く → 子どもも教育を受けられない
という悪循環が固定化してしまいます。

● ④ 社会そのものの停滞

女性の教育は国家の成長にも不可欠です。
教育が失われるほど、国全体の未来も閉ざされます。

■ 子どもたちが直面しているその他の危機

アフガニスタンの子どもたちは、教育以外にも多くの問題を抱えています。

4. 極度の貧困と栄養不良

  • 国民の約9割が十分な食料を得られない生活
  • 子どもの栄養不良率は世界最悪レベル

干ばつや家計の崩壊によって、多くの家庭が
「今日は何も食べられない」
という状態を日常的に経験
しています。

5. 医療へのアクセス不足

  • 医師不足
  • 病院の閉鎖
  • 医薬品不足

特に妊産婦や新生児ケアは壊滅的で、
本来なら助かる命が失われている状況 が続いています。

6. 紛争・爆発物の脅威

毎年、子どもが地雷や不発弾で命を落とす事故が後を絶ちません。

■ 国際社会はどんな支援をしているのか

アフガニスタンは、世界のなかでも
最も国際支援に依存している国のひとつ です。

国際機関やNGOは、主に以下の支援を行っています。

  • 女子教育の代替プログラム(オンライン教育・自宅教室など)
  • 学校給食・栄養支援
  • 医療支援(移動診療所・母子保健)
  • 地雷除去支援
  • 緊急食糧支援
  • 冬期の防寒具・避難支援

ただし、政情不安が続く中で支援活動が制限されることも多く、
状況は常に不安定です。

■ 日本からできること

アフガニスタンの問題はとても大きく、一人で解決できるものではありません。
しかし、「知ること」「関心を持ち続けること」も立派な支援です。

日本からできる支援としては:

  • 女子教育支援(教材・教師育成・非公式教育)
  • 栄養支援・学校給食
  • 地雷除去・安全教育
  • 難民支援
  • 医療支援(母子保健)

など、長く継続することが必要な領域が多くあります。

■ おわりに——少女たちの未来を閉ざさないために

学校の門の前で立ち止まった少女マリヤム。
彼女が再び教室に戻れる日は、まだ見えていません。

けれど、もし世界のどこかで
「女の子も教育を受けるべきだ」
「子どもの未来を奪ってはいけない」
と願う人がひとりでも増えれば、それは確かな変化へとつながります。

アフガニスタンの子どもたちが抱える困難は大きいですが、
その一歩を支える力は、世界中の人の“知る”という行為から始まります。

少女たちの未来が閉ざされないように。
教育を受けたくても受けられない子どもたちの声が、
届かないまま消えてしまわないように。

私たちは、知り続け、考え続けることができます。

この記事がいいねと思ったら、シェアをお願いします!

投稿者: FIRST DONATE編集長 髙崎

非営利団体のファンドレイジング/広報支援を生業とするDO DASH JAPAN株式会社スタッフであり、FIRST DONATE編集長。 自身の体験を元に、寄付やソーシャルグッドな情報収集/記事制作を得意とする。 FIRST DONATE編集長 髙崎 のすべての投稿を表示

投稿者 FIRST DONATE編集長 髙崎投稿日: 2025年12月11日2025年12月11日カテゴリー 世界の社会課題タグ 国際協力, 戦争/紛争, 海外支援, 難民/移民

投稿ナビゲーション

前 前の投稿: 『日本の寄付総額2兆円の正体――“返礼品”と“本当の寄付”の狭間で考える』

今、とても読まれています

  • 信頼できる寄付先9選【パレスチナとイスラエル、そしてガザ】対立の歴史と支援の重要性

    長引くパレスチナ問題と私たちにできること パレスチナ問題は、何十年にもわたって解決が見えない複雑な国際問題です。特に、ガザ地区は軍事衝突や封鎖による深...

  • 教育格差のリアル2025:日本の学力・所得ギャップ最新統計

    日本の教育は平均的な学力水準が高く、義務教育修了後の進学率も高い水準にあります。また、地域間の学力差も他国と比べて小さい傾向にあるとされ、これまで「教...

  • 怪しい?【赤い羽根共同募金】の実態と活動内容について

    「赤い羽根共同募金」と聞くと、街頭で見かける募金活動や、小中学生の時に募金と引き換えにもらった赤い羽根を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実...

  • 【違和感】子ども食堂を気持ち悪いと感じるその誤解を解き、未来を支える

    日本における「子ども食堂」という取り組みは、近年、メディアやSNSで大きく取り上げられ、広く認知されるようになりました。その一方で、「子ども食堂は貧困...

  • 徹底解説【日本財団】は怪しい?どんな団体?寄付できるの?

    「日本財団」という名前を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?日本財団は、国内外のさまざまな社会課題に取り組むことで知られていますが、その一...

  • データあり【実態調査】日本の貧困問題と現状を読み解く

    日本社会では、表面上は豊かな生活が営まれているように見えますが、その裏には多くの人々が貧困に苦しんでいます。特に「相対的貧困率」と呼ばれる指標は、社会...

非営利団体一覧の記事のサムネイル

FIRST DONATE -ファスドネ-
寄付で闘う。未来をよくする。

  • アフガニスタンの子どもたちと女子教育問題——紛争と貧困の中で生きる女の子の「未来」とは?2025年12月11日
  • 『日本の寄付総額2兆円の正体――“返礼品”と“本当の寄付”の狭間で考える』2025年12月4日
  • 日本の【医療格差】「受診できるかどうか」で人生は変わる2025年11月26日
  • 遺児・災害遺児・障害のある親を持つ子どもたちの実情とは?2025年11月18日
  • あなたの想いを未来へつなぐ【遺贈寄付】という選択 – その意義と実現のためのガイド2025年11月12日
  • インタビュー
  • マンガ
  • 世界の社会課題
  • 動物・自然
  • 勝手にレビュー
  • 寄付に関すること
  • 日本の社会課題
  • 調査とデータ
  • 非営利団体に関すること

NGO NPO SDGs いじめ/不登校 ひとり親 ジェンダー ボランティア レポート 中高生 偽善 動物保護 医療 国連 国際協力 地域社会 子ども 子ども食堂 実態調査 寄付 寄付とは 寄付金 戦争/紛争 教育 教育支援 文化 日本 日本人 注意 海外支援 物品寄付 環境問題 相対的貧困 社会貢献 福祉 給料 芸能人/著名人 虐待/暴力 評価 誤解 貧困 遺贈/相続 難民/移民 難病 震災/災害 高齢者

Tweets by first_donate
  • 2025年12月
  • 2025年11月
  • 2025年10月
  • 2025年9月
  • 2025年8月
  • 2025年7月
  • 2025年6月
  • 2025年5月
  • 2025年4月
  • 2025年3月
  • 2025年2月
  • 2025年1月
  • 2024年12月
  • 2024年11月
  • 2024年10月
  • 2024年9月
  • 2024年8月
  • 2024年7月
ホーム » 世界の社会課題 » アフガニスタンの子どもたちと女子教育問題——紛争と貧困の中で生きる女の子の「未来」とは?
  • 【活動テーマ/地域別】非営利団体ライブラリ
  • FIRST DONATEとは
  • 運営会社 | お問合せ
    • 記事寄稿のご案内
    • あなたの団体を取材させてください!
  • 【活動テーマ/地域別】非営利団体ライブラリ
  • 運営会社 | お問合せ
FIRST DONATE Privacy Policy