日本国内の社会貢献実態調査と寄付行動の現状

社会貢献活動は、地域社会の発展や困難に直面する人々の支援において重要な役割を果たしています。令和元年度に実施された内閣府による調査「市民の社会貢献に関する実態調査」は、日本国内における市民の社会貢献活動の現状を把握するために行われました。

本記事では、この調査結果をもとに、日本の社会貢献活動の実態と特に寄付行動に焦点を当てて詳しく解説します。

引用:令和元年度 市民の社会貢献に関する実態調査

調査概要

令和元年度の「市民の社会貢献に関する実態調査」は、日本国内の20歳以上の男女を対象に実施されました。この調査では、社会貢献活動の参加状況や意識、寄付行動などについて詳細なデータが収集されています。

社会貢献活動の現状

社会貢献活動の参加状況

調査によると、日本国内で何らかの形で社会貢献活動に参加している人の割合は約50%に達しています。

この数字は、地域社会の課題解決に関心を持つ市民が多いことを示しています。具体的な活動内容としては、ボランティア活動や地域イベントの運営、災害支援などが挙げられます。

年齢層別の参加状況

社会貢献活動への参加状況は年齢層によって異なります。20代から30代の若年層では、全体の約30%が積極的に参加しており、特にインターネットを活用したオンラインボランティア活動が増加傾向にあります。一方、60歳以上の高齢者層では、地域コミュニティでの活動や伝統的なボランティア活動が主流となっています。

年齢別社会貢献活動参加率

年齢層別の社会貢献活動内容

緑=20-29歳 青=60歳以上

寄付行動の実態

寄付行動の概要

寄付行動に関する調査結果では、日本国内の市民の約35%が過去1年間に何らかの形で寄付を行っていることが分かりました。

寄付の対象としては、災害被災者支援や子供の教育支援、環境保護団体などが多く挙げられます。

寄付先の対象

寄付先割合 (%)
災害被災者支援25
子供の教育支援20
環境保護団体15
医療研究10
地域社会の支援30
地域社会の支援が最も多い

年間寄付額の分布

年間寄付額についてのデータによると、1,000円未満の小額寄付を行う人が最も多く、全体の約40%を占めています。次に多いのが1,000円から5,000円未満の寄付で、約30%が該当します。これらのデータから、少額でも寄付を行うことが一般的であることが分かります。

年間寄付額の分布

1,000円未満:約40% 1,000-5,000円:約30% 5,000-10,000円:約20%

寄付の動機

寄付行動の主な動機としては、「社会の役に立ちたい」という理由が最も多く挙げられています。

また、「災害時の緊急支援」や「知人・友人の勧め」といった具体的な動機も見受けられます。特に、災害時には寄付行動が急増する傾向にあり、これは日本国内での災害に対する高い意識を反映しています。

表: 寄付の動機

動機割合 (%)
社会の役に立ちたい35
災害時の緊急支援25
知人・友人の勧め20
団体からの直接の要請10
その他10

寄付行動の促進要因

寄付行動を促進するためには、以下の要因が重要です。

情報提供の強化

市民が寄付を行うためには、寄付先の団体やその活動内容についての情報が必要です。調査結果では、寄付を行う際に最も重視されるのは「信頼性」と「透明性」です。寄付金の使途が明確に示され、信頼できる団体であることが求められています。

寄付先の信頼性と透明性の重視度

税制優遇措置の活用

日本では寄付金控除という税制優遇措置がありますが、これを知らない市民も多いのが現状です。この制度を広く周知することで、寄付行動をさらに促進することが期待されます。

税制優遇措置の認知度と利用率

認知度は高いが、相対的に利用率が低い

寄付の利便性向上

寄付を行う際の手続きが簡便であることも重要です。

インターネットを活用したオンライン寄付の普及や、スマートフォンアプリを利用した寄付が増えてきており、これにより若年層の寄付参加が増加しています。

オンライン寄付とアプリ利用の割合(利用率別)

まとめ

令和元年度の「市民の社会貢献に関する実態調査」は、日本国内における社会貢献活動の多様な実態を明らかにしました。特に、若年層のオンラインボランティア活動の増加や、災害時の寄付行動の急増が特徴的です。また、寄付行動を促進するためには、情報提供の強化や税制優遇措置の活用、寄付の利便性向上が重要であることが示されています。

これからも多くの市民が社会貢献活動に参加し、地域社会の発展に寄与することが期待されます。あなたもぜひ、自分にできる社会貢献活動を見つけて参加してみませんか?

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投稿者: FIRST DONATE編集長 髙崎

非営利団体のファンドレイジング/広報支援を生業とするDO DASH JAPAN株式会社スタッフであり、FIRST DONATE編集長。 自身の体験を元に、寄付やソーシャルグッドな情報収集/記事制作を得意とする。