2024年8月時点
**国境なき医師団(Médecins Sans Frontières: MSF)**は、1971年にフランスで設立された民間の非営利医療・人道援助団体です。
紛争、自然災害、貧困などで医療が届かない地域に住む人々に対し、独立・中立・公平な立場で医療援助を提供しています。MSFの使命は、医療活動に加えて、現地で目撃した人道危機を国際社会に訴える「証言活動」を行うことです。1999年には、その活動が評価され、ノーベル平和賞を受賞しました。
MSFの活動資金の9割以上は個人や民間からの寄付で賄われており、資金の独立性を保つことで、いかなる権力からも影響を受けずに活動を展開しています。2022年には、75の国と地域で約49,000人のスタッフが活動しており、日本事務局も1992年に設立され、2022年には26の国・地域に対して89人の派遣を行いました。MSFは医療を必要とする人々に対して、どんな困難な状況においても迅速かつ効果的な支援を行う団体として広く認知されています。
「寄付をするなら」こんな人におすすめ!
- 現場の医療援助だけでなく、人道危機に対する証言活動にも賛同し、支援したい人
- 医療支援が届かない地域や人々のために貢献したいと考えている人
- 人種、宗教、政治的背景に関係なく、困難に直面する全ての人々を支援したい人
- 紛争や自然災害、感染症の流行など、緊急事態での迅速な支援活動をサポートしたい人
- 独立性・中立性を重視し、政府や権力からの影響を受けない団体に共感する人
- 自らも寄付を通じて人道援助活動の一翼を担い、社会に貢献したいと考えている人
- 世界中の医療・人道支援に関心があり、国際的な支援ネットワークに参加したい人
活動理念/ビジョン/ミッション
国境なき医師団を知るための5つのキーワード
Keyword 5医師だけでない多様な人材が活動しています。
Keyword 1独立・中立・公平の原則設立時から変わらない3つの活動原則です。
Keyword 2機動力48時間以内に現場に駆け付けます。
Keyword 3証言活動危機にさらされた人びとの声を伝えます。
Keyword 4民間からの寄付いかなる権力の影響なく独立した活動が可能に。
主な活動
紛争地での医療支援
MSFは、戦争や内戦が続く地域で、負傷者に対する外科手術や緊急治療を提供しています。また、紛争によってトラウマを抱えた人々への心理的ケアも行っています。例として、シリアやイエメンなどの紛争地域での活動が挙げられます。
自然災害への緊急対応
地震、洪水、ハリケーンなどの大規模な自然災害が発生した際、MSFは迅速に被災地へ入り、医療支援を提供します。被災者への救急治療や、仮設病院の設置、水や衛生設備の提供など、幅広い支援を行っています。
難民キャンプでの医療活動
紛争や暴力から逃れてきた難民や国内避難民が集まるキャンプで、MSFは診療所を設置し、基礎的な医療サービスを提供しています。マラリア、はしか、栄養失調などの治療に加え、妊産婦のケアも行っています。
感染症の予防と治療
エボラ出血熱、マラリア、結核、HIV/AIDSなどの感染症に対して、MSFは予防接種や治療を行っています。また、新型コロナウイルス感染症が拡大した際にも、各国で医療支援を展開しました。
栄養失調の治療
特に栄養失調が深刻な地域では、子どもたちに対する栄養治療食の提供や、より重篤なケースには集中治療を行います。例えば、アフリカのサヘル地域や南アジアでの活動が知られています。
母子保健
MSFは、出産時のリスクが高い地域で妊産婦と新生児に対する医療支援を行っています。助産師や産科医が常駐するクリニックを設置し、緊急の分娩や母子の健康管理を行っています。
証言活動
現地で目の当たりにした人道危機や人権侵害について、MSFは国際社会に訴える活動を行っています。この証言活動は、医療支援だけでは解決できない問題を世界に伝えるための重要な役割を果たしています。
アクセス・キャンペーン
MSFは、医薬品やワクチンの価格が高騰し、必要な治療が届かない問題に対して、価格の引き下げやジェネリック医薬品の普及を求めるキャンペーンを展開しています。誰もが適切な医療を受けられるよう、国際的に訴えかけています。
MSFの活動は、緊急医療支援だけでなく、持続可能な支援や人道的な証言活動を含む広範なものであり、世界中で困難な状況にある人々に寄り添い、命を守るために活動しています。
その他情報
団体概要
団体名 | 特定非営利活動法人 国境なき医師団日本 |
所在地 | 〒162-0045 東京都新宿区馬場下町1-1 FORECAST早稲田FIRST 3階 (旧 早稲田SIAビル) |
設立 | 1987年 |
役員 | 会長中嶋 優子(国境なき医師団 救急医、麻酔科医) 副会長高橋 健介(国境なき医師団 救急医、感染症専門医、疫学専門家) 谷口 博子(元国境なき医師団日本事務局職員) 専務理事小杉 郁子(国境なき医師団 外科医) 会計役スチュアート・ベラハ(外国法事務弁護士) 理事イッサ・カディノン・コナテ(元国境なき医師団オペレーション組織職員)落合 厚彦(国境なき医師団 現地活動責任者) ジル・デルマス(国境なき医師団 疫学専門家) スー・ミャット・ハン(国境なき医師団 アドボカシー担当) 空野 すみれ(国境なき医師団 産婦人科医) 監事久留宮 隆(国境なき医師団 外科医) 森川 光世(国境なき医師団 財務コーディネーター)(2024年3月末現在) |