目次
① 4つの助の基本概念
社会に生きる私たちは、日々さまざまな課題に直面します。病気や失業、老後の不安など、一人では解決が難しい問題も多いでしょう。そのときに大切になるのが「自助・互助・共助・公助」の考え方です。
これは、日本の社会福祉の根幹をなす仕組みであり、個人の努力だけでなく、地域や社会全体で支え合うための指針ともなっています。
この4つの助がどのように機能し、私たちの生活にどのような影響を与えるのか、一つずつ詳しく見ていきましょう。
1. 自助(じじょ):まずは自分を守る力
「自助」とは、自分自身の力で生活を支えることを指します。
健康管理や貯蓄、スキルの習得など、困難に備えるための努力がこれに該当します。例えば、将来の介護費用に備えて貯蓄をする、健康維持のために運動を習慣づける、キャリアアップのために資格を取るといった行動は、すべて自助の一環です。
厚生労働省の調査によると、日本人の平均寿命は男性81.6歳、女性87.7歳(2023年時点)ですが、健康寿命はそれよりも約10年短いとされています。つまり、多くの人が老後に何らかの介護を必要とする期間を迎えるのです。
そのため、健康維持や資産形成といった自助の取り組みが、将来的な生活の質を大きく左右します。
2. 互助(ごじょ):身近な人との助け合い
「互助」は、家族や地域、友人などとの支え合いを指します。
日常のちょっとした困りごとを手助けすることがこれに当たります。例えば、ご近所同士で買い物を代行する、育児や介護を助け合う、町内会の活動に参加するなどが挙げられます。
このような助け合いは、日本社会に昔から根付いています。江戸時代には「頼母子講(たのもしこう)」という、互助の金融制度がありました。これは、仲間同士でお金を出し合い、くじ引きや話し合いで決まった人が資金を受け取る仕組みでした。
現代では、NPOやボランティア団体がこの互助の役割を果たしています。
互助は、信頼関係のもとに成り立つため、地域コミュニティの活性化にもつながります。
しかし、少子高齢化や都市部での孤立の増加により、互助の機能が弱まっているのも事実です。そのため、現代社会では新たな形の互助を模索する必要があります。
3. 共助(きょうじょ):制度化された支え合い
「共助」は、公的な制度のもとで支え合う仕組みのことです。
代表的なものとして、健康保険、年金、介護保険などの社会保険制度があります。私たちは日々、これらの保険料を支払うことで、いざという時に必要な支援を受けられるようになっています。
例えば、国民健康保険は、医療費の自己負担を3割に抑える仕組みになっています。これがなければ、病院での治療費は莫大な金額になり、生活が困窮する人も増えるでしょう。
また、介護保険制度は、65歳以上の人が介護サービスを受ける際に自己負担を1〜3割に軽減するための仕組みです。
共助は、社会全体で支え合う仕組みであり、持続可能な福祉社会をつくるために不可欠です。
しかし、少子高齢化による制度の財政的な圧迫が課題となっており、将来的な改革の必要性も指摘されています。
4. 公助(こうじょ):最後のセーフティネット
「公助」は、最終的に行政が支援を行う仕組みです。
自助や互助、共助では対応できない場合に、生活保護や障害者支援、災害援助などの公的支援が提供されます。
例えば、生活保護制度は、日本に住むすべての人が最低限の生活を送れるようにするための仕組みです。
2023年時点で、生活保護を受給している世帯数は約160万世帯にのぼり、そのうち高齢者世帯が半数以上を占めています。高齢化が進む日本では、公助の役割がますます重要になっています。
また、災害時には、公助の力が大きく発揮されます。
東日本大震災(2011年)の際には、国や自治体が被災者に対して住宅支援や見舞金の給付を行いました。公助は、困窮したときに頼れる「最後の砦」として機能するため、社会の安定に欠かせない存在です。

② 4つの助の関係性
4つの助は、それぞれ独立したものではなく、相互に補完し合う関係にあります。特に、自助が基盤となり、それを互助・共助・公助が支える形になっています。
1. 自助を支える互助
自助だけで生活を維持するのは難しい場面もあります。例えば、高齢者が一人で買い物に行くのが困難な場合、近所の人が手伝うことで生活の質が向上します。これは、互助が自助を補完する例です。
2. 互助を支える共助
互助は、関係性のもとで成り立ちますが、支える側の負担が大きすぎると持続できません。そこで、共助の仕組みを利用することで、負担を分散させることができます。例えば、介護保険制度を利用すれば、家族の介護負担を軽減できます。
3. 共助を補完する公助
共助の枠組みでも解決が難しい場合には、公助が最後の支えとなります。生活保護や災害支援などがその代表例です。社会全体で「支え合いの仕組み」を整備することで、誰もが安心して暮らせる環境が生まれます。
2. 日本における寄付の現状と課題
① 「日本には寄付文化がない」は本当か?
日本では「寄付文化が根付いていない」と言われることが多いですが、本当にそうなのでしょうか。
データを見ると、日本の寄付額は欧米諸国と比べて確かに少ないものの、歴史的には寄付の文化が存在していました。この現状を理解するために、まずは数値で日本の寄付の規模を確認し、その背景を探っていきます。
1. 欧米と比較した日本の寄付額
日本の寄付市場は、欧米と比べると非常に小さいのが現実です。
- 2010年時点での日本の個人寄付総額は約5,455億円(日本ファンドレイジング協会『寄付白書2010』)
- 同時期のアメリカの個人寄付総額は約22兆円(日本の40倍)
- イギリスの個人寄付総額は約1兆円(日本の2倍)
このデータを見ると、日本の寄付規模が欧米諸国と比べて極端に小さいことがわかります。
「日本には寄付文化がない」と言われるのも、このような数値が背景にあるのでしょう。しかし、これが日本人が寄付をしない国民性を示しているとは言い切れません。
2. 日本にも根付いていた寄付文化
歴史を振り返ると、日本には古くから寄付の文化がありました。特に、宗教や商人の社会貢献活動を通じて、助け合いの精神が息づいていました。
① 仏教と寄付
仏教が広まる過程で、寄付(布施)の精神が重要視されました。
奈良時代には、仏教僧が民間から「奉加(ほうが)」と呼ばれる寄付を募り、橋や寺院、公共施設の建設資金を調達していました。
② 江戸時代の豪商による社会貢献
江戸時代には、商人たちが「陰徳善事(いんとくぜんじ)」の考えに基づき、積極的に社会貢献を行いました。
- 町橋制度:幕府が資金を出さず、町人たちが自ら費用を出し合い、橋を建設・維持管理(例:淀屋橋、心斎橋)
- 頼母子講・無尽講:地域住民同士が資金を出し合い、相互扶助を実現する仕組み
このように、日本にも寄付文化が存在していました。
しかし、第二次世界大戦後、財閥解体や戦後の経済復興の中で、富裕層による大口寄付が減少し、地域の助け合いの仕組みも変化していきました。
② NPOの資金難と寄付の必要性
現代日本では、多くのNPOが社会的な課題解決のために活動しています。しかし、その活動を支える資金は不足しがちで、多くの団体が存続の危機に直面しています。
1. 日本のNPOの現状
日本には約40,000のNPO法人が存在しています(2023年時点)。
しかし、その中には活動が停滞している「休眠NPO」も多く、経済的に困難な状況に置かれた団体が少なくありません。
資金難の理由として、以下の点が挙げられます。
- 個人寄付の不足:欧米のように個人からの寄付がNPOの主要な収入源になっていない
- 助成金・補助金への依存:公的な資金援助に頼る団体が多いが、それだけでは長期的な活動維持が難しい
- 資金調達の専門家(ファンドレイザー)の不足:寄付を集めるためのノウハウや専門家が少ない
2. ファンドレイジングの重要性
資金を確保するためには、戦略的なファンドレイジング(資金調達活動)が欠かせません。ファンドレイザーは、NPOと寄付者をつなぐ重要な役割を担い、共感を得ながら支援を募る専門家です。
日本では、全国相互扶助生活安心組合や日本ファンドレイジング協会などの団体が、ファンドレイザーの育成を進めています。
寄付文化を根付かせるためには、NPO側も資金調達の方法を学び、より効果的に支援を募る必要があるのです。

③ 災害支援による寄付文化の変化
「寄付文化がない」と言われる日本ですが、近年では大規模な災害をきっかけに寄付の動きが活発化しています。
1. 1995年 阪神淡路大震災
この震災では、約6,400人が犠牲となり、約24万棟の建物が倒壊しました。
当時、日本ではボランティア活動やNPOの存在がまだ広く認識されていませんでした。しかし、震災直後から全国から130万人以上のボランティアが支援に駆けつけたことで、市民の助け合いの意識が高まりました。
この経験を契機に、1998年にはNPO法(特定非営利活動促進法)が施行され、多くの市民団体が正式に法人化するきっかけとなりました。
2. 2011年 東日本大震災
さらに、2011年の東日本大震災では、地震・津波・原発事故という複合的な被害が発生し、社会全体が「自分に何ができるのか?」を考える契機となりました。
- 全国の約8割の人が何らかの寄付を経験
- 震災関連の寄付額は約7,000億円を超える(過去最高)
特に、企業による大口寄付が増加し、個人でもクラウドファンディングを活用した寄付が行われるようになりました。
東日本大震災以降、「ふるさと納税」などの制度も整備され、個人が寄付に関わる機会が広がっています。
3. 継続的な支援につなげるには?
一時的な災害支援としての寄付は増加しましたが、それを継続的な支援につなげる仕組みが必要です。そのために、以下のような取り組みが求められています。
- マンスリーサポーター制度の推進:定期的な少額寄付を促す仕組み
- クラウドファンディングの活用:寄付者が支援する団体を選べる仕組みの強化
- 寄付の透明性向上:使い道が明確になる報告体制の整備
3. 日本に根付いていた相互扶助と寄付の仕組み
① 江戸時代の共助・互助の仕組み
日本には、古くから相互扶助の精神が根付いていました。
特に江戸時代には、民間主導で多くの助け合いの仕組みが生まれ、地域社会の基盤となっていました。この時代、幕府や藩に頼らず、庶民同士が協力して生活を安定させる「共助・互助」の仕組みが数多く存在していたのです。
1. 町橋制度:町人が自費で橋を建設・管理
江戸時代の日本は「水の都」とも呼ばれるほど、水運が発達していました。
大都市には多くの川が流れ、それを越えるための橋が必要でした。しかし、幕府が資金を出して建設した「公儀橋」は限られており、ほとんどの橋は町人が資金を出し合って建設し、維持管理を行う「町橋」でした。
例えば、大阪には江戸時代に約200の橋が架けられていましたが、そのうち幕府の資金で建てられたのはわずか12橋。残りはすべて町人が資金を出し合い、管理していました。現在も残る淀屋橋や心斎橋は、当時の商人たちが自らの財を投じて架けた橋の一例です。
この仕組みは、現代の「寄付」や「クラウドファンディング」にも通じる考え方と言えます。
社会に必要なインフラを、公的資金だけでなく、市民の協力によって整備するという発想は、時代を超えて今も生き続けています。
2. 頼母子講・無尽講:コミュニティ内でお金を融通し合う金融システム
「頼母子講(たのもしこう)」や「無尽講(むじんこう)」は、地域の人々が資金を出し合い、順番に資金を融通し合う相互扶助の金融システムでした。これらは、庶民が銀行のような機関を利用できなかった時代において、必要な資金を調達するための重要な仕組みでした。
仕組みはシンプルで、数十人のグループが定期的に一定額を出し合い、くじ引きや話し合いで決まった人がその資金を受け取るというものです。この仕組みのおかげで、商売を始めたい人が資金を得たり、農民が種籾を購入する資金を確保したりすることができました。
現代でも、山梨県などでは「無尽(むじん)」と呼ばれる仕組みが残っており、仲間内での旅行資金やイベント資金を積み立てる形で活用されています。
これは、江戸時代から続く相互扶助の精神が、今も根強く残っていることを示しています。
3. 感恩講・義倉・社倉の仕組み:貧困者救済と災害備蓄
江戸時代には、災害や飢饉に備えて、庶民が自主的に資金や穀物を蓄える仕組みがありました。特に有名なのが「感恩講」「義倉」「社倉」です。
- 感恩講(かんおんこう):裕福な商人や町人が資金を出し合い、基金を作り、困窮者の支援や災害時の救済にあてる仕組み。1829年には、秋田藩御用達商人の那波三郎右衛門祐生が多額の私財を投じて設立し、多くの町人が協力しました。
- 義倉(ぎそう):町民が自発的に寄付し、穀物を備蓄する制度。貧困者への支援や飢饉の際に放出される仕組みで、自治的な福祉制度の先駆けともいえます。
- 社倉(しゃそう):藩が主導し、災害時に備えて穀物を蓄える制度。義倉が庶民の自発的な仕組みだったのに対し、社倉は行政主導のシステムでした。
このように、江戸時代には、公助に頼らない庶民主体の福祉制度が機能していました。これらの仕組みは、現代における「共助」の考え方に直結しており、地域社会の結びつきを強める役割を果たしていました。

② 産業革命後の相互扶助の発展
江戸時代には独自の相互扶助の仕組みがありましたが、19世紀の産業革命を経て、ヨーロッパでは新たな社会問題が発生し、それに対応するための相互扶助組織が生まれました。
1. 産業革命と新たな相互扶助組織の誕生
産業革命によって、大量生産と都市化が進んだ結果、伝統的な農村共同体が崩壊し、多くの労働者が都市部に移住しました。
しかし、都市生活では、労働者が病気や失業に陥ると支援を受ける仕組みがほとんどなく、貧困層が急増しました。
こうした状況を受けて、ヨーロッパでは以下のような相互扶助の組織が誕生しました。
- 友愛組合(フレンドリー・ソサエティ):労働者が会費を払い、病気や事故時に給付を受ける仕組み。
- 共済組合:農民や職人が資金を出し合い、災害時の補償や生活資金の貸付を行う組織。
- 労働組合:労働条件の改善を目的とし、賃金交渉や福利厚生を強化。
これらの組織は、やがて国家による社会保障制度へと発展し、福祉国家の礎となりました。
2. 日本への影響と現代の共済制度
日本でも、明治時代に入ると、こうしたヨーロッパの相互扶助の考え方が導入されるようになりました。特に、共済制度や社会保険の仕組みが整備されるきっかけとなりました。
- 1911年:健康保険法が制定され、労働者の医療費負担を軽減する制度が誕生。
- 1938年:国民健康保険法が制定され、農村部や自営業者にも医療保障が拡大。
- 戦後:厚生年金保険や介護保険制度が整備され、社会全体で支え合う仕組みが確立。
このように、産業革命以降の相互扶助の発展は、日本の社会保障制度にも大きな影響を与えました。現在の共済組合や健康保険制度も、こうした歴史の延長線上にあるのです。
4. 現代における相互扶助と寄付の活用
① 社会福祉協議会による寄付の活用
現代において、寄付は単なる善意の行為ではなく、社会を支える重要な手段となっています。その中でも、各地域の社会福祉協議会(社協)は、寄付を効果的に活用し、地域福祉の向上に貢献しています。
1. 社会福祉協議会とは?
社会福祉協議会(以下、社協)は、日本全国の自治体ごとに設置されている民間の福祉団体で、地域の福祉活動を支援する役割を担っています。
主な活動として、高齢者や障がい者支援、子ども向けの福祉サービス、災害時の支援活動などがあり、これらの活動資金の多くが寄付によって支えられています。
社協は行政と連携しつつも、地域住民の参加を重視している点が特徴です。地域ごとの課題に応じた柔軟な支援が可能であり、住民同士の助け合いを促進する仕組みとして機能しています。
2. 多様な寄付の手段
社協では、さまざまな形での寄付を受け付けており、寄付者が自身の意向に沿った支援ができるようになっています。
- 一般寄付:特定の使途を指定しない寄付で、社協が地域福祉のために柔軟に活用できる。
- 指定寄付:寄付者が支援したい活動や団体を指定できる。
- 遺贈寄付:相続財産を活用した寄付。近年、社会貢献意識の高まりとともに注目されている。
- 物品寄付:使用済み切手や書き損じはがき、未使用の福祉用品などを寄付する方法。
このように、多様な寄付の選択肢が用意されているため、誰でも気軽に社会貢献に参加できる仕組みが整っています。
3. 寄付金の税制優遇措置
寄付を促進するために、社協への寄付には税制上の優遇措置が設けられています。
個人・法人ともに一定の条件を満たせば、税額控除や所得控除を受けることができます。
個人の寄付の場合
- 所得税の控除:「所得控除」または「税額控除」のどちらか有利な方法を選択可能。
- 住民税の控除:1月1日時点で住民登録がある自治体での寄付は、最大10%(市民税6%、都民税4%)の控除を受けられる。
法人の寄付の場合
- 損金算入:法人が支出した寄付金の一部を損金算入し、法人税を軽減することが可能。
特に、遺贈寄付は相続税の対象外とされるため、資産を社会貢献に役立てたいと考える人にとって有益な選択肢となっています。

② 全国相互扶助生活安心組合の取り組み
社協と並んで、日本の寄付文化を促進しようとする団体に「全国相互扶助生活安心組合(以下、安心組合)」があります。
この団体は、特にNPO支援と寄付文化の普及に力を入れています。
1. NPO支援とファンドレイザー育成
安心組合は、日本国内のNPO法人を支援するために設立されました。日本には現在40,000以上のNPO法人が存在しますが、その多くが資金不足に悩んでいます。
企業のように収益を上げる仕組みがないNPOにとって、寄付は重要な資金源です。しかし、日本ではまだ寄付文化が十分に根付いておらず、多くのNPOが存続の危機に直面しています。
この状況を改善するために、安心組合では、NPO向けの資金調達専門家である「ファンドレイザー(FR)」の育成事業を展開しています。ファンドレイザーは、以下のような役割を担います。
- 寄付者に団体の活動を分かりやすく伝え、共感を得る
- 効果的な寄付キャンペーンを企画・運営する
- NPOの持続的な資金調達を可能にする戦略を立案する
現在、日本ではファンドレイジングの専門家が不足しており、安心組合はその人材育成を通じてNPOの持続的な運営を支援しています。
2. 寄付文化を広めるための教育活動
安心組合は、寄付文化を普及させるための教育活動にも力を入れています。
日本では、寄付に対する意識が欧米と比べて低い傾向にありますが、その背景には「寄付=特別な行為」という認識があるからです。
欧米では、学校教育の段階から「寄付やボランティアが社会を支える」という意識が根付いています。
一方、日本ではそのような教育の機会が少なく、寄付が特定の層(富裕層や企業)だけのものと捉えられがちです。これを変えるために、安心組合では次のような取り組みを行っています。
- 寄付に関するワークショップや講演の開催
→ 子どもや若者向けに、寄付の意義や活用事例を学ぶ機会を提供 - 企業との連携によるCSR活動の推進
→ 企業が社会貢献活動に参加しやすくするためのサポート - クラウドファンディングの活用推進
→ 個人でも気軽に寄付に参加できるプラットフォームの普及
これらの取り組みを通じて、日本でも寄付を「特別な行為」ではなく、「当たり前の社会貢献」として定着させることを目指しています。

5. 私たちができる社会参加の方法
私たちは日々の生活の中で、誰かの支えを受けながら生きています。そして、困っている人を助けることは、巡り巡って社会全体の安定につながるのです。
では、どのような形で社会参加ができるのでしょうか。ここでは、寄付・ボランティア・NPO支援の3つの方法を紹介します。
① 寄付の実践
寄付は、誰でも手軽にできる社会貢献の一つです。特に、日本では「寄付=大金持ちがするもの」というイメージが根強いですが、実際には少額の寄付でも大きな影響を与えることができます。
1. 少額の寄付が生み出す変化
たとえば、1人が500円を寄付しても、大きな変化は感じにくいかもしれません。
しかし、仮に10万人が500円を寄付した場合、総額は5,000万円になります。この金額があれば、NPOや社会福祉団体は多くの支援活動を展開できます。
また、寄付は金額の多寡ではなく、継続することが重要です。単発の寄付も大切ですが、毎月少額を寄付する「マンスリーサポーター」になることで、長期的に支援が可能になります。
2. 定期的な寄付(マンスリーサポーター)
最近では、月額500円〜1,000円の定額寄付を募るNPOが増えています。マンスリーサポーターのメリットは、団体側が安定的な資金を確保できることです。例えば、貧困地域への教育支援や動物保護団体の運営など、継続的な支援が必要な分野では、この仕組みが非常に効果的です。
✔ 定期寄付のメリット
- 支援の持続性:団体が安定的に活動を継続できる
- 負担の少なさ:少額でも長期間支援することで大きな影響を生む
- 社会貢献の習慣化:寄付が日常の一部になる
マンスリーサポーター制度を活用することで、個人でも無理なく社会貢献に参加できます。
② ボランティア活動
寄付と並んで、社会貢献の代表的な手段がボランティア活動です。
自らの時間を使って直接支援に関わることで、より深い社会参加が可能になります。
1. 互助の実践としてのボランティア
ボランティア活動は、まさに「互助」の精神の実践です。地域で困っている人を助けることは、やがて自分自身が助けられることにもつながります。特に高齢化が進む日本では、地域での支え合いがますます重要になっています。
✔ ボランティアの種類
- 地域福祉ボランティア:高齢者の話し相手、障がい者支援など
- 子ども支援:学習支援、児童養護施設での活動など
- 環境保全:ビーチクリーン、植樹活動など
- 災害ボランティア:被災地での支援活動
2. 一人ではなく、組織や団体と協力する
「ボランティアに興味はあるけれど、何をしたらいいかわからない」という人も多いかもしれません。その場合は、NPOやボランティア団体と協力するのがおすすめです。すでに活動の基盤がある団体に参加すれば、初心者でも無理なく社会貢献ができます。
また、近年では「オンラインボランティア」という形も広がっています。たとえば、翻訳ボランティア、リモートでの相談支援、SNS運営のサポートなど、物理的に現場に行かなくてもできる活動が増えています。
✔ ボランティアを始める際のポイント
- 自分の関心がある分野を選ぶ
- 無理のない範囲で参加する
- 継続できる活動を見つける
一人では難しくても、組織や団体と協力することで、より大きな影響を生むことができます。
③ NPO支援
NPO(非営利組織)は、社会課題を解決するために活動する団体です。
しかし、前述のとおり、日本のNPOの多くが資金不足や運営人材の不足に悩んでいます。私たちがNPOを支援することで、その活動をさらに広げることができます。
1. NPOの活動を知り、賛同する団体を支援する
まずは、自分が共感できるNPOを探すことから始めましょう。日本には約40,000のNPO法人があり、活動分野も多岐にわたります。
✔ NPOの主な活動分野
- 貧困・教育支援
- 医療・福祉
- 環境保護
- 動物保護
- 人権・平和活動
興味のある分野を見つけたら、まずはNPOの活動内容を知ることが重要です。公式サイトやSNSをチェックし、どのような活動をしているのかを把握すると良いでしょう。
2. ファンドレイジングや資金調達のサポート
NPOにとって、資金調達は継続的な活動の生命線です。私たちは、寄付だけでなく、ファンドレイジング(資金調達)のサポートを通じてNPOを支援することもできます。
✔ NPO支援の方法
- クラウドファンディングの拡散:SNSなどでシェアして支援を呼びかける
- イベント参加・寄付:チャリティイベントに参加して直接支援する
- スキルの提供:マーケティングやデザイン、翻訳など、専門スキルを活かす
NPOは、ファンドレイザー(寄付を集める専門職)の不足にも悩んでいます。そのため、個人ができる形でサポートすることが、NPOの持続的な運営につながります。
まとめ
社会に参加する方法は、寄付・ボランティア・NPO支援など、多岐にわたります。どの方法も、一人ひとりが無理なく続けられる形で関わることが大切です。
✔ 今すぐできる社会参加の方法
- 少額でもいいので、定期的な寄付をしてみる
- 週末や空き時間にボランティアに参加する
- 興味のあるNPOを探し、情報発信を手伝う
どの方法を選んでも、「やってみる」ことが社会貢献の第一歩です。
私たちが日常の中でできることを少しずつ積み重ねることで、より良い未来をつくることができるのではないでしょうか。