【国連とは?】寄付できる団体や活動内容、寄付金の使われ方について

「国連って何をやっている組織なのか?」「寄付はどうやってできるの?」「寄付することで本当に何か変わるの?」こんな疑問を抱える人は少なくないでしょう。

国連といえば、ニュースで耳にするなんだか大きな国際組織。しかし、その具体的な活動内容や、個人がどのように関与できるのかを知っている人は少ないかもしれません。

この記事では、国連への寄付に関する基本的な疑問に答えます。
国連の役割、寄付の仕組み、そしてあなたの寄付がどのように世界に影響を与えるのかを具体的に解説していきます。
国際的な問題に対する関心が高まる中、私たちができることの一つが「寄付」です。この記事を通じて、寄付が持つ力を感じ取っていただければ幸いです。


国連ってそもそも何?何をやってるの?怪しくない?

国連の設立経緯と目的

1945年、第二次世界大戦後の反省から設立された国際連合(国連)は、現在193の加盟国を持つ世界最大の国際組織です。
その目的は、戦争の再発防止と平和の維持です。国際連盟が第二次世界大戦を防げなかったことを受け、国連はより強固な国際協力を目指して設立されました。

国連の役割は非常に多岐にわたりますが、大きく分けて3つの柱があります。それは、「国際平和と安全の維持」「経済的・社会的問題の解決」「人権の保護」です。
これにより、戦争の防止から人権侵害の抑止、貧困や環境問題に至るまで、幅広い分野で活動しています。

国連の主要機関と役割

国連の活動は、6つの主要機関によって支えられています。その中でも、総会は全加盟国が参加する場であり、国際的な政策や決議が議論されます。
一方、安全保障理事会は、国際平和と安全に関する問題を扱い、必要に応じて軍事行動や制裁を行う権限を持っています。

国際司法裁判所は、国際法に基づいて国家間の紛争を解決する役割を果たしており、事務局は国連の日常業務を管理しています。また、経済社会理事会は経済や社会問題に焦点を当て、国連システム全体の調整を行っています。

国連の活動分野

国連の活動分野は広範囲に及びますが、特に注目すべきは人道支援です。
例えば、ユニセフ(国連児童基金)は、子どもたちの命を守り、健やかな成長を支援するために活動しています。また、世界食糧計画(WFP)は、飢餓と戦うために世界中の人々に食糧援助を提供しています。
これらの機関は、国際的な危機に直面している地域で緊急支援を行い、被災者の命を救っています。

国連が取り組む課題は他にも多く、環境問題やジェンダー平等、貧困削減、教育支援など、世界の持続可能な発展に向けた取り組みが進められています。
特に最近では、気候変動対策やジェンダー平等の推進においても、国連はリーダーシップを発揮しているのです。


寄付はできるの?

国連への寄付の方法

個人でも国連やその関連機関に寄付を行うことができます。
国連への寄付は、オンラインを通じて簡単に行えるほか、郵便局やコンビニエンスストアでも手続きを進められます。日本国内にも、ユニセフやWFPなど、国連機関の寄付を受け付ける窓口があり、寄付金は信頼性の高い手続きを経て現地の支援活動に使われます。

寄付金控除の対象となる団体も多く、一定の条件を満たせば税金の控除を受けることができます。例えば、年間2001円以上の寄付を行い、確定申告を行うことで税金が軽減される場合があります。
寄付金控除は、寄付を奨励するための制度であり、寄付者にとってもメリットがあるため、利用を検討する価値があります。

寄付の途中解約や方法の選択

寄付は、必ずしも継続的に行う必要はありません。
自分の経済状況に合わせて寄付を途中で解約することも可能です。特に、クレジットカードによる定期的な寄付の場合は、団体に連絡をするだけで簡単に寄付を停止できます。
寄付の方法も多様で、クレジットカード、銀行振込、口座振替など、自分に合った手段を選べます。

また、一度だけの寄付ももちろん可能です。
寄付のタイミングや金額は自分で決めることができるため、無理のない範囲で社会貢献ができます。寄付はあなたの意思で自由に行えるものですから、少額でも継続的に行うことが重要です。


どこに寄付すればいいの?

寄付先の選び方

寄付を行う際には、信頼性の高い団体を選ぶことが大切です。国連関連団体は、国際的な信頼性が高く、透明性のある運営を行っているため、安心して寄付することができます。
具体的には、自分が共感できる活動分野に取り組んでいる団体を選ぶのが良いでしょう。

例えば、子どもの支援に力を入れたい場合はユニセフ、難民支援をしたい場合はUNHCR、飢餓問題に取り組みたいならWFPがおすすめです。これらの団体は、それぞれの専門分野で長年の実績があり、支援の成果も報告されています。

また、寄付の使い道も見てみるようにしましょう。
寄付者に対して具体的な支援の成果を報告している団体は、透明性が高く信頼性があります。例えば、ユニセフでは、寄付金がどのように使われたかを具体的に示す報告書を公開しており、支援の効果を確認できます。

おすすめの寄付先団体

日本ユニセフ協会

ユニセフは、子どもの命と健やかな成長を守るため、保健、教育、水と衛生、栄養などの分野で活動しています。特に、緊急支援として紛争地域や自然災害の被災地において、医療支援や教育再建を行っています。日本ユニセフ協会はその活動を支える重要な窓口です。

国連UNHCR協会

UNHCRは、難民の保護と支援に特化した国連機関で、世界中の難民や国内避難民に対して、安全な生活環境の提供や再定住支援を行っています。日本国内でも、UNHCRへの寄付を通じて国際的な難民支援に参加できます。

国連WFP協会

飢餓と栄養失調の問題に取り組むWFPは、紛争や災害で食糧を失った人々に食糧支援を提供しています。また、学校給食プログラムなど、長期的な栄養支援も行っています。日本国内ではWFP協会が寄付を受け付けており、飢餓撲滅に向けた活動を支援できます。

国連ウィメン日本協会

女性と少女のエンパワーメントを目指すUN Womenは、特にジェンダー平等の推進と女性の権利向上に取り組んでいます。途上国の女性自立支援や、性暴力からの保護など、幅広い支援を展開しており、寄付によってこれらの活動をサポートできます。


寄付することで何が変わる?寄付金は何に使われる?

寄付金の使い道

寄付金は、国連の活動を支える重要な資源です。例えば、ユニセフでは寄付金が子どもたちの命を救うためのワクチン接種や、栄養補助食品の提供、教育支援に使われています。
寄付の金額にかかわらず、その支援は現地の人々にとって非常に貴重なものです。

例えば、100円の寄付でもポリオワクチンが提供され、命を救うことができるのです。
WFPでは、1ドルで4人分の食事を提供できることもあります。寄付が直接支援につながる実感を持つことで、寄付のモチベーションも高まるでしょう。

緊急支援の現場

国連の緊急支援は、紛争地域や自然災害が発生した地域での迅速な対応が求められます。
例えば、ユニセフは災害時に飲料水や衛生サービスを提供し、子どもたちの健康を守るための活動を行っています。WFPも同様に、災害地域への食糧支援を迅速に実施し、命を救っています。

緊急支援活動は、寄付者からの資金が迅速に現地に届くことで実現しています。寄付によって得られた資金が、人々の命を救い、生活を立て直すための第一歩となるのです。

寄付の成果

具体的な成果として、ユニセフは2015年に世界中で2550万人に安全な飲料水を提供し、750万人の子どもたちが基礎教育を受けられるよう支援しました。

WFPは同年、81カ国で7670万人に食糧援助を提供し、そのうちの79%が緊急事態への対応に使われました。これらの成果は、寄付によって実現したものであり、世界中での影響力を示しています。

寄付者は、自分の寄付がどのように使われたかを具体的に知ることで、支援活動の成果を実感することができます。これにより、さらに多くの人々が寄付に参加するきっかけとなるでしょう。

寄付先にはどんな団体がいるの?

その他の国連関連機関

国連には多くの関連機関があり、それぞれが異なる分野で重要な役割を果たしています。以下は、その中でも特に注目すべき機関です。

UNDP(国連開発計画)

UNDPは、貧困削減や持続可能な開発のために活動する国連機関で、特に災害後の復興支援や、長期的な開発支援に力を入れています。例えば、紛争後の地域社会の再建や、被災地のインフラ整備に寄付金が使われています​。

UNFPA(国連人口基金)

UNFPAは、リプロダクティブ・ヘルス(生殖健康)を推進し、特に女性と若者に焦点を当てた支援を行っています。紛争地域や災害後の状況で、妊産婦や若年層の健康を守るための支援活動が展開されています。また、性的暴力被害者への支援や、性教育の普及にも力を入れています​。

WHO(世界保健機関)

WHOは、世界中の公衆衛生を守るための活動を行っています。特に、感染症の予防や予防接種プログラム、緊急時の医療支援など、健康に関わるあらゆる分野で支援が行われています​。
COVID-19のパンデミック対応でも大きな役割を果たしましたのは記憶にも新しいかと思います。

UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)

UNRWAは、パレスチナ難民に対する支援を専門とする国連機関です。パレスチナ難民に対して、教育、医療、救援、社会福祉サービスを提供し、また緊急事態においても支援を行っています。特に中東地域における長年の難民問題に対応しています。

OCHA(国連人道問題調整事務所)

OCHAは、国連内外の人道支援活動を調整する役割を担っています。特に緊急事態において、複数の支援団体や機関の活動を効果的に調整し、必要な支援を速やかに届けるためのコーディネートを行います。OCHAは人道支援活動の中枢として、国際的な支援ネットワークをリードしています。

ILO(国際労働機関)

ILOは、労働者の権利保護や労働条件の改善を目指す国連機関です。特に、児童労働の根絶や、労働者の人権保護、社会保障の整備に取り組んでいます。紛争後の復興支援や、貧困地域での雇用創出にも積極的に関与しています。

これらの機関は、国連システム全体を支える重要な柱となっており、寄付によって支援活動が持続されています。それぞれの機関は、独自の専門知識を活かして、世界中で持続可能な社会を構築するために活動しています。

ユニセフやWFPと、UNDPやWHOの違いについて

これらの組織はすべて国連の一部ですが、それぞれ異なる使命と役割を持っています。

ユニセフ(UNICEF)やWFPの特徴

これらの組織は、主に人道支援や緊急支援を専門としています。つまり、災害や紛争といった緊急事態に直面している人々に、迅速に支援を届けることを目的としています。

UNDP(国連開発計画)やWHO(世界保健機関)の特徴

一方、UNDPやWHOは、長期的な開発支援や保健分野の改善を目的とした組織です。彼らの活動は緊急支援というよりも、持続可能な発展や健康改善に焦点を当てています。

  • ユニセフやWFPは、人道的で緊急支援を行う組織。
  • UNDPやWHOは、長期的な開発支援や保健の改善に取り組む組織。

つまり、ユニセフやWFPは「今すぐ支援が必要な人々」に対応する一方、UNDPやWHOは「持続可能な発展や健康の改善」に焦点を当て、長期的な視野で活動しています。どちらのアプローチも、世界をより良くするために欠かせない役割を果たしています。


遺贈寄付の選択肢

近年、遺贈寄付(遺産の一部を寄付すること)が注目を集めています。
遺贈寄付は、個人が生前に残した遺産を社会のために役立てる方法であり、国連関連団体への寄付もその一環です。
ユニセフやWFP、UNHCRなどの団体も、遺贈寄付を通じて長期的な支援を提供しています​。

遺贈寄付は、個人の意思を尊重し、未来の世代のために貢献する手段として効果的です。自分の遺産が、世界中の人々の命を救い、生活を改善するために使われるという選択肢は、多くの人々にとって意義深いものです。


まとめ

寄付を考えるときのポイント

寄付を行う際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
まず、信頼できる団体を選ぶことが最も重要です。国連関連団体はその透明性と信頼性の高さで知られていますが、寄付金がどのように使われるのかを確認することは、寄付者としての責任でもあります。

また、寄付は個人の経済状況や価値観に応じて自由に行えるものであり、無理のない範囲で支援することが大切です。少額の寄付でも、その積み重ねが大きな力となり、世界中で困っている人々を支援することができます。

最後に、寄付は「誰かのために何かをする」行為であり、その結果が現実の問題解決に結びつくという達成感を伴います。寄付を通じて、あなたも世界の問題解決に貢献してみませんか?


寄付の持つ「共感力」の力

いかがでしたでしょうか。

最後に、寄付が持つ「共感力」について触れたいと思います。
寄付とは、単にお金を渡す行為ではなく、他者への共感から生まれる行動です。この共感が広がれば広がるほど、寄付の輪は大きくなり、社会全体が変わっていく力となります。

特に、今日のグローバル社会において、SNSやメディアを通じて人々が直面する課題を共有し、共感をもとに行動を起こすことが可能になっています。
例えば、災害や紛争の被害者の声が直接届くことで、多くの人が「何かできないか」と考え、寄付に至るケースが増えています。共感による行動は、単なる経済的支援にとどまらず、社会全体の価値観を変える力を持っているのです。

あなたの寄付が、明日の未来を創る力になることを信じて。
それではまた。

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投稿者: FIRST DONATE編集長 髙崎

非営利団体のファンドレイジング/広報支援を生業とするDO DASH JAPAN株式会社スタッフであり、FIRST DONATE編集長。 自身の体験を元に、寄付やソーシャルグッドな情報収集/記事制作を得意とする。