“慈善活動“と聞くと、多くの人は芸能人や政治家が行う大規模な寄付やボランティア活動をイメージするかもしれません。
しかし、慈善活動はもっと幅広く日常的な行動の延長線上にあります。たとえば、コンビニの募金箱に小銭を入れることや、使わなくなった服を寄付することも慈善活動の一部です。
慈善活動の本質は他者を助けることであり、それは「フィランソロピー」とも呼ばれます。フィランソロピーとは、ギリシャ語の「愛(Phil)」と「人類(Anthropy)」を組み合わせた言葉で、人類への愛に基づく利他的な行動全般を指します。
お金だけでなく、時間や労力も含まれますし、慈善活動は、社会に対する貢献意識を持つことで、みんなでより良い未来を築く手段の一つなんです。
目次
慈善活動の種類とは?
慈善活動には多くの種類や形があります。
ボランティア活動や寄付だけでなく、クラウドファンディングやスポーツイベントを通じたチャリティー活動など、現在その多様性は広がり続けています。ここでは、主な慈善活動の種類を紹介します。
ボランティア
ボランティアとは、労働力を無償で提供し、社会に貢献する活動です。
日本でも、地域支援や災害支援、福祉活動など、さまざまな形でボランティアが行われています。
例えば、社会福祉協議会のような公的機関がボランティア活動を支援し、地域社会におけるサポート体制を強化しています。
近年では国際ボランティアも注目されています。発展途上国での支援活動や、災害復興のためのボランティアは多くの人々の生活を支える重要な役割を果たしています。
自分の労力を社会に役立てるという充実感は、ボランティア活動ならではの魅力でしょう。
日本は地震や台風、豪雨といった自然災害が頻発する国であり、被災地支援に関するボランティアは非常に重要な慈善活動の一つです。
近年だと、令和6年能登半島地震、東日本大震災や西日本豪雨などの大規模災害では多くのボランティアや寄付が被災者の生活再建に大きく貢献してきました。被災地支援には、物資の提供や金銭的な寄付、現地でのボランティア活動が含まれます。
災害発生直後は、飲料水や食料、毛布などの基本的な生活物資が必要とされます。また、復興が進むにつれて、被災者のメンタルケアや住宅再建支援など、長期的なサポートが重要になります。社会福祉協議会や日本赤十字社、また企業や個人が立ち上げたクラウドファンディングプロジェクトを通じて、迅速に支援を届ける仕組みが整えられています。
また、企業の支援も活発で、大手企業が迅速に物資を提供するなど、民間の力も被災地復興において重要な役割を果たしています。このように日本では災害に対する共助の精神が強く根付いており、多様な形で支援の輪が広がっています。
寄付
寄付は、金銭や物品を社会的な目的のために提供する活動です。
現金による寄付はもちろんのこと、ポイントでの寄付や物資の寄付、さらにはフェアトレード商品を購入することで間接的に支援する方法も増えています。
寄付は少額から始めることができるため、初心者にとっても参加しやすい慈善活動です。
さらに、寄付には税制面でのメリットもあります。
日本では、寄付金控除として一定の寄付額が税金から控除される仕組みがあります。寄付を通じて社会に貢献しつつ、税制上の優遇も受けられるという点で、ますます関心が高まっています。
クラウドファンディング
インターネットを通じて資金を集める「クラウドファンディング」も、急成長している慈善活動の一つです。
クラウドファンディングでは、個人や団体が特定のプロジェクトに対する共感を得て、多くの支援者から小額の寄付を集めます。こうした社会的な問題に取り組むプロジェクトは多くの人々の関心を引き、短期間で大きな支援を集めることができるのが特徴です。
この手法は、寄付だけでなく、プロジェクトを通じて支援者とコミュニケーションを取ることができるため、従来の寄付形態に比べて双方向の関係を築ける点でも魅力的です。
チャリティ・イベント
スポーツや音楽などのイベントを通じたチャリティ活動も注目を集めています。
例えば、チャリティマラソンやチャリティスポーツイベントでは、参加者が寄付金を集めながら体を動かすことができ、楽しみながら社会に貢献することができます。また、芸能人やインフルエンサーが参加し街中で大々的に開催される様子は多くの人の目や足をとめ、社会課題を広く認知することができます。
近年では、東京マラソンなどの大規模イベントでチャリティ枠が設定され、寄付先の団体を支援する取り組みが行われています。
遺贈
遺贈(いぞう)とは、遺産を特定の団体に寄付する方法です。
特に高齢化社会が進む日本では、遺贈による寄付が注目され始めています。遺言書を通じて、自分の財産を社会に還元するのですが、遺贈により公益法人に寄付された財産は非課税扱いとなるため、経済的なメリットもあります。
慈善活動に参加するには?
慈善活動に興味があっても、何から始めたら良いか迷うことも多いかもしれません。
ここでは、初心者でも簡単に始められる慈善活動の方法を紹介します。
ボランティア活動の探し方
ボランティア活動を始めるには、まず自分が興味を持っている分野や地域から考えてみてはいかがでしょうか。
日本国内では、社会福祉協議会がボランティア活動のプラットフォームとして機能しており、各地で多くのボランティアが募集されています。インターネットを活用して、自分に合ったボランティアを見つけるのも良い方法です。
また、初心者には短期間で参加できるイベントボランティアや、オンラインでの支援活動はいかがでしょうか。さらにはSNSでの情報拡散など日常生活の中でできるボランティア活動もあるため、自分の生活スタイルに合った形で始めることができます。
災害発生時のボランティア活動
- 国内での災害発生時には、日本の災害支援団体がボランティアを募集します。物資の仕分けや被災者支援など、初心者でも参加しやすい活動が多いです。
国際ボランティア活動
- 国際ボランティア活動に興味がある場合、発展途上国での教育支援や環境保護活動など、長期的なプロジェクトが多いです。ユニセフのような国際NGOが、日本国内からも参加できるボランティアを募集しています。
キフコの一言
日本国内でできるボランティアについてはもう少し深堀りして説明したいと思います!
地域ボランティア
地域ボランティアは地域社会に密着した活動で、福祉サービスや環境保護、教育支援など多岐にわたります。高齢者の見守りや介護施設でのサポート、障がい者支援、子どもへの学習支援など、福祉分野が中心で、地域に根ざした活動のため、日常生活の一部として参加しやすいところが特徴ですね。
さらなる具体例としては、地域の清掃活動やゴミの分別、公共スペースの美化などもあって、環境保護にもつながる活動が多いんです。
最近では地方自治体やNPOが主催する地域行事やイベントのお手伝いなども増えていて、地域の絆を深めるための役割を果たしています。
災害ボランティア
災害ボランティアは自然災害が発生した時に被災地で行われるボランティア活動です。地震、台風、洪水、豪雨だったりと、災害発生後の物資配布、避難所の運営、被災者へのメンタルケア、家屋の清掃や瓦礫の撤去など、とても様々なニーズがあります。
発生直後については、物資の輸送や食料、水、毛布などの必需品の配布が優先されていますが、復旧が進むにつれて、家屋の再建やインフラの整備、精神的なサポートなど、長期的な支援も必要になってきます。日本は本当に災害が多い国なのでボランティアの存在が欠かせません。
災害ボランティアに参加するためには事前の準備として、社会福祉協議会や日本赤十字社が運営するボランティアバスに参加したり、ボランティア保険に加入しておくようにしましょう。災害直後の混乱期にはボランティアのスキルや専門知識が求められる場合もあるため、事前に基本的な知識やトレーニングを受けておくと安心だと思います。
寄付の始め方
寄付を始める際に考慮すべきポイントとして、寄付先の信頼性や使途に着目するようにしましょう。寄付先の団体がどのような目的で寄付金を使用しているかをしっかりと確認することが重要です。
また、国から認可を受けた認定NPO法人への寄付であれば、寄付金控除を活用することで寄付額の一部が税金から控除されるため、経済的なメリットもあります。
大規模な国際NGOでは、毎月少額の寄付で発展途上国の子どもたちを支援することができる”マンスリーサポーター(月額寄付)”という仕組みがありますのでぜひ調べてみてください。
SNSやクラウドファンディングでの支援
最近ではSNSを通じた情報発信も立派な慈善活動の一環です。
InstagramやTwitterで、社会的な問題に関する情報をシェアすることで多くの人々にその問題を知ってもらうことができます。情報の拡散は、寄付やボランティアと同様に、社会貢献の重要な手段となっています。
また、クラウドファンディングを活用すれば、特定のプロジェクトに共感しながら支援を行うことができます。自分のSNSアカウントでクラウドファンディングプロジェクトを拡散することで、支援の輪を広げることができるのも大きな特徴です。
海外の慈善団体と活動
アメリカでは、GLIDEやビル&メリンダ・ゲイツ財団などが世界的な慈善活動を行っています。
GLIDEは、社会正義を推進するための活動を行い、ウォーレン・バフェットの支援を受けています。ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、教育や医療、貧困対策を中心に、世界中で大規模な支援を展開しています。
特にアメリカでは慈善活動が文化として根付いており、多くの著名人が積極的に寄付活動に参加しています。
2022年にはアメリカ国民が約5000億ドルを慈善活動に寄付しました。
慈善活動の意義とその未来
慈善活動は、個人や企業が社会に対して責任を果たすための重要な手段です。
ボランティア活動や寄付などを通じて誰もが社会貢献に参加でき、日常生活の中で簡単に取り組むことができます。
ウォーレン・バフェットのような著名な慈善家は、個人の成功が社会全体に還元されるべきだと考え、その活動を通じて多くの人々にインスピレーションを与えていますが、慈善活動こそ社会の一部であり、私たち一人ひとりがその一翼を担うことができるのです。