おすすめ団体5選【日本の教育支援】に寄付したい。

1. 教育支援が必要とされる日本の現状

日本では一見教育環境が整っているように見えますが、経済格差による子どもの教育機会の不平等が深刻な問題となっています。

厚生労働省の調査(2021年)によれば、子どもの相対的貧困率は11.5%と約9人に1人が貧困状態にあり、ひとり親世帯ではその割合が50.8%とOECD加盟国中最も高い水準です。

貧困家庭の子どもたちは塾や習い事といった学校外教育への参加が難しく、家庭の経済状況によって学力や進学率にも大きな差が生じています。

実際、生活保護世帯の子どもの大学進学率は33.1%と、全世帯平均(73.2%)の半分以下に留まります。
また、小学6年生の全国学力テストを分析すると、世帯年収200万円未満と1,500万円以上の家庭では正答率に約20ポイントの開きがありました。

この「教育格差」は主に学校外で生まれており、家庭の教育支出の6~7割を占める放課後の塾・習い事費用が払えない子どもほど十分な学びを得にくい状況にあります。
こうした格差が放置されれば、貧困が世代間で連鎖し社会全体の損失にもつながるため、経済的困難を抱える子どもへの教育支援が強く求められています 。

2. 寄付で支えられる教育支援の種類

ひと口に教育支援と言っても、寄付金はさまざまな形の支援活動に活用されています。主な支援の種類と内容は以下の通りです。

  • 学習支援: 経済的に困難を抱える子どもに対し、無料の学習塾や個別指導、オンライン学習サポートなどを提供する活動です。
    NPO法人による放課後の勉強会やマンツーマンの学習指導などが該当し、学びの遅れを取り戻したり学校の授業を補完したりする役割を果たします。
  • 居場所づくり: 家庭以外で安心して過ごせる居場所や第三の居場所を子どもたちに提供する活動です。
    例えば放課後に子どもが自由に来られる交流スペースや、子ども食堂併設の学習ルーム、フリースクールなどがあり、生活環境が厳しい子どもにも心身の安全と学びの機会を提供します 。
  • 保護者支援: 子どもを取り巻く大人への支援も重要です。貧困家庭の保護者に対する就学相談、子育てや進路に関する助言、経済的・心理的サポートなどを行う活動があります。
    親への支援を通じて家庭全体の環境を安定させ、子どもの学習継続を後押しします。
  • 教材開発・提供: 学習教材やプログラムを開発し、必要としている子どもや学校に無償提供する活動です。例えば、オンラインで学べる教材コンテンツを整備したり、図書・学用品を寄贈したりする取り組みがあり、学びの質とアクセス向上に寄与します。
  • 奨学金・経済的支援: 経済的理由で進学や学習が困難な子どもに対し、寄付金を原資とした奨学金給付や学習費用の補助を行う活動です。
    高校・大学進学のための給付型奨学金や、塾・習い事に使えるクーポンの提供などが代表例で、学ぶ意欲がありながら金銭面で困難を抱える子どもを直接的に支援します。

3. 教育支援を行う主な団体と活動内容

日本国内で教育支援に取り組む代表的な団体と、その活動内容・寄付金の使途・支援対象・成果について紹介します。
それぞれの団体は寄付に支えられながら特色ある支援を展開し、定量的な成果も上げています。

あしなが育英会(Ashinaga)遺児への奨学金給付と心のケア支援

一般財団法人あしなが育英会

病気・災害・自死などで親を失った遺児たちに対する教育支援を半世紀以上にわたり続けている公益団体です。

寄付金は主に高校・大学等への奨学金(給付型・無利子貸与)として活用され、さらに遺児たちの心のケアや成長の場づくり(レインボーハウスや交流プログラム)にも充てられます。

これまでに約10万人の遺児学生が同会の奨学金で進学を支援されており、累計支援額は約121億円に上ります。
近年は全額給付奨学金への移行に伴い支援対象が拡大し、2019年度の奨学生総数は過去最高の6,551人に達しました。しかしニーズはそれ以上に高まっており、2023年度には高校奨学金の応募が急増したため採用率が約51%にまで低下し、約半数の応募者が支援を受けられない状況となりました。
こうした状況は「支援の手が追いつかない現状」として報道もされており、同会は安定財源確保のため寄付呼びかけを強めています。

認定NPO法人キッズドア(Kidsdoor)貧困家庭の子どもへの無料学習会と居場所提供

認定特定非営利活動法人 キッズドア

経済的困窮家庭(ひとり親世帯や生活保護世帯など)の小中高生を対象に、無償の学習塾形式の支援教室や居場所づくりを行っている団体です。
首都圏を中心に放課後や週末にボランティアが勉強を教える場を提供し、家庭の経済状況に関わらず安心して勉強できる環境を整えています。現在では年間延べ約2000人の子どもたちがキッズドアの学習支援教室や居場所支援を利用しており、そこで学んだ子どもが高校・大学へ進学し、卒業後に今度はボランティアとして後輩を教えるという貧困の連鎖を断ち切る好循環も生まれています。

寄付金は教室運営費(会場費・教材費)や大学生ボランティアの交通費補助、家庭への教材配布、さらにはコロナ禍で実施した食料支援などにも使われました。また企業からの協賛も厚く、2023年度だけで260社もの企業・団体が寄付や協働という形でキッズドアを支援しています。
こうした寄付に支えられ、学習支援拠点の拡大やオンライン対応など活動の幅を広げています。

認定NPO法人Learning for All(ラーニング・フォー・オール)包括的な子どもの貧困対策(居場所・学習・食事・保護者支援)

認定特定非営利活動法人 Learning for All

「子どもの貧困に本質的解決を」との理念で2014年に設立され、地域ぐるみで困難を抱える子どもを支えるモデル事業を展開する団体です。特徴は学習支援だけでなく、居場所づくり、食事提供、保護者への相談支援など複合的に取り組む点にあります。

たとえば東京都や愛知県などで運営する「子ども第三の居場所」では、6~18歳の子どもに放課後の安全な居場所と学び・食事・生活支援を継続的に提供し、家庭や学校と連携して切れ目ない伴走支援を行っています。

こうした活動は全国に広がりつつあり、設立以来で延べ11,800人以上の子どもたちに無償の学習・居場所支援を届けてきました。特に近年は事業規模が大きく拡大しており、2023年度単年度だけで19,782人の子どもたちが同団体の支援プログラムを利用しています。この急成長は多くの賛同者の寄付によって支えられており、累計ボランティア参加者3,000名超、継続寄付などで支援するサポーターも4,500名以上にのぼります。

寄付金は現場の運営費(スタッフ人件費や施設費)に充てられるほか、支援モデルを全国普及させるためのノウハウ共有や政策提言活動にも活用されています。
包括支援の成果として、支援を受けた子どもの生活・学習環境が改善し高校進学率が向上するなど定量的な効果も報告されています(※同団体の報告より)。

認定NPO法人カタリバ機会格差を埋める創造的教育プログラム

認定NPO法人カタリバ

「どんな環境に育っても未来はつくれる」を掲げ、2001年から活動する教育NPOです。当初は高校生への対話型授業など意欲喚起プログラムを提供していましたが、東日本大震災を機に被災地の学習支援(コラボ・スクール)を開始し、その後は貧困家庭や不登校の子ども、外国ルーツの生徒など多様な子どもたちへの支援事業を全国で展開しています。

寄付金は各地のプロジェクト運営に使われ、具体的には被災地や過疎地における常設の学習施設運営、オンライン上の不登校支援ルーム「room-K」の開発、ヤングケアラー(家族の介護等を担う若者)への学習支援、さらには高校生の探究学習プログラム実施などその用途は多岐にわたります。

近年の実績として、例えば2022年度には全国22道県の団体と協力して10代の居場所づくり事業を行い、3,854人の子どもたちに安全な居場所を提供しました。
またオンラインの伴走支援によって、生活困窮世帯の422人の子どもとその保護者359人に学びの機会を届けることができています。

さらに、不登校の小中高生195人に対しオンラインで学び直し支援を行い、保護者172人の相談にも応じました。
他方、学校と協働した啓発プログラムも手がけており、ある取り組みでは全国108校・延べ37,082人の生徒に校則見直しの対話の場を提供するといった成果も上げました。こうした幅広い事業は官民の助成や企業CSRによる協賛も受けていますが、個人からの寄付も重要な財源です。

カタリバは認定NPO法人として税制優遇の対象であることを活かし寄付者を募っており、「きっかけ格差」を埋める活動を寄付金で持続可能に進めています。

公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン(CFC)経済的困窮家庭の子どもへの教育クーポン支給

公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン

2011年の震災後に設立され、経済的理由で塾や習い事に通えない子どもたちにスタディクーポン(教育クーポン)を提供する団体です。

寄付金や協賛企業からの支援金を原資に発行されるクーポンを子どもたちに配布し、子どもは提携塾や習い事教室でそのクーポンを授業料等として利用できます。これにより家庭の負担なく学習機会を得ることができ、学校外教育へのアクセス格差を埋める狙いがあります。

2023年度は700名の子どもたちに対し総額1億6,830万円分のスタディクーポンを提供することができました。支援対象は主に小学校高学年から高校生までで、東北(宮城・岩手・福島)や首都圏を中心に全国に広がっています。
しかし応募者すべてを支給対象にできているわけではなく、例えば2022年度は新規定員261名に対し888名の応募があり、600名以上の子どもが落選しています。つまり支援を必要とする子どもの半数以上は現状カバーしきれていないという課題が残っています。

この状況を踏まえ、CFCはいただいた寄付金の約85%を子どもへの直接支援費に充てるよう効率的に運営するとともに 、支援モデルを行政施策として広げてもらうべく成果データを発信しています。
また近年では企業との協働プロジェクトにも注力しており、三井住友フィナンシャルグループからの寄付を受けて「SMBCグループ・スタディクーポン」を創設。2024年度はその資金により中高生580名に総額1億0240万円分のクーポンを提供することができました。
このように企業CSRと個人寄付を合わせた資金で事業規模を拡大し、支援待機児童の解消を目指しています。

以上のように、日本には子どもの教育支援に取り組む多様な団体が存在し、それぞれの強みを活かした活動を展開しています。寄付はこれら団体の主要な財源となっており、何人の子どもを支援できたか、どれだけの資金を教育現場に届けたかといった成果が各団体の発表や第三者評価によって示されています。

教育支援の現場では、寄付者から預かった資金が具体的に子どもたちの成長に結びついているのです。

4. 近年の寄付傾向と支援の新しいかたち

日本における教育支援分野への寄付は、この数年で量・質ともに変化が見られます。

特にクラウドファンディングの活用寄付税制や政策による後押し企業のCSR(企業の社会的責任)活動としての関与拡大、そして新しい寄付モデルの登場が顕著です。

クラウドファンディングの活用

インターネットを通じて不特定多数から資金を募るクラウドファンディングは、教育支援の分野でも重要な資金調達手法になっています。

近年、学校や教師が主体となって設備改善やプログラム実施の費用をクラウドファンディングで集める事例も増えました。
例えば、日本初のクラウドファンディングサイト「READYFOR」では「子ども・教育」カテゴリで多数のプロジェクトが立ち上げられており、学習施設の新設、奨学金基金の創設、部活動遠征費の支援など様々な目的で成功事例が報告されています。

また、日本教育新聞社は「学校応援プロジェクト」を通じて学校やPTAが新しい教育活動に挑戦する際にREADYFOR社を仲介し、クラウドファンディングへの挑戦を支援しています。
このようにメディアや専門プラットフォームが連携して教育界隈でのクラウドファンディングを後押しする動きもあります。その結果、離島の小学生チームが大会出場資金を集めたり、フリースクール立ち上げ費用を地域から募ったりと、地域やテーマごとの共感を原動力に資金を集めるケースが増えています。

クラウドファンディングは支援者にとって使途が明確で参加型の寄付手段であり、SNS等で拡散することで従来寄付に関心のなかった層にもアプローチできる点で寄付文化の裾野拡大に寄与しています。

寄付控除や政策的支援の変化

個人が寄付しやすい環境づくりのため、税制や制度も整備が進んでいます。

2011年の税制改正では、認定NPO法人等への寄付について従来の所得控除に加えて税額控除(寄付金控除)が導入され、寄付者はより大きな減税メリットを得られるようになりました。
これにより寄付インセンティブが高まり、制度開始当初は数十団体だった認定NPO法人も現在では1000団体以上に増えています(※内閣府NPOホームページより)。
また2019年度からは「民間公益活動を促進するための休眠預金等活用法」が施行され、金融機関で長年使われていない預金(休眠預金)を原資に社会課題解決の事業に助成する仕組みが始まりました。

この制度により政府・民間連携でNPOへの資金供給が強化されており、例えば2024年度にはJANPIA(日本民間公益活動連携機構)の公募によりグッドネーバーズ・ジャパンが資金分配団体に選定され、約1.2億円の休眠預金を活用して子どもの貧困対策事業を推進することになりました。

具体的にはひとり親家庭の子どもの食支援や体験格差是正に取り組む複数の団体に対し、この資金を用いて助成金と伴走支援を提供する計画です。
さらに政府は2023年に「こども家庭庁」を創設し、子ども基本法を施行するなど子ども支援を国家戦略として位置付けました。
これに伴い、「こどもの未来応援国民運動」など官民協働の基金が継続して設けられ、寄付募集と助成事業が展開されています。

税制面でも、ふるさと納税制度を活用してNPO支援を行う自治体が増えたり、企業版ふるさと納税の対象に教育プロジェクトが含まれたりと、寄付を行う個人・企業への優遇措置が拡充傾向にあります。

毎年12月を「寄付月間~Giving December~」として官民で啓発する取り組みも定着しつつあり、寄付に対する社会の認知度・意識も徐々に高まっています。

寄付月間

企業のCSRとしての教育支援

企業による社会貢献の一環で教育支援に関与するケースも増えています。
大手企業が自社の財団を通じて奨学金プログラムを運営したり、社員ボランティアを学習支援に派遣したりと直接的な活動もありますが、近年特に顕著なのは企業が資金提供やプロボノ支援をNPOと連携して行うモデルです。

上述のCFCとSMBCグループの協働はその好例で、企業からの拠出金でクーポンを発行し多くの学生を支援しました。
また教育系NPOのスポンサー企業としてIT機器や教材を寄贈したり、プログラミング教育やキャリア教育を提供する企業もあります。

例えば通信会社が通信端末を無償配布してオンライン学習を支援したり、学習塾大手がNPOと提携して講師を派遣するなど、企業の強みを活かした支援も行われています。

企業側にもSDGs(持続可能な開発目標)の達成や次世代育成という観点から教育支援は価値あるCSRテーマと捉えられており、寄付という形だけでなくマーケティングと連動した寄付付き商品販売やポイント寄付キャンペーンを展開する企業も出てきました。
例えばYahoo!ジャパンの「ネット募金」ではTポイントやPayPayポイントを子ども支援団体へ寄付でき、開始からの累計寄付額が数億円に達しています(※Yahoo!ネット募金サイトより)。

企業とNPOのパートナーシップによって、従来は行政任せだった領域に民間資金が流れ込み、教育支援のリソースが多様化しているのが近年の特徴です。

新しい支援モデルの登場

従来の一時的な寄付に加え、継続的・少額から参加できる新たなモデルが普及しつつあります。
代表的なのがマンスリーサポーター(継続寄付)制度で、多くの教育NPOが月々1,000円からの定額寄付会員を募っています。

継続寄付は団体にとって安定財源となるため重視されており、コロナ禍以降オンライン経由での月額寄付者が大幅に増加したとの報告もあります。
例えばあるNPOではウェブからのマンスリー寄付申し込みがコロナ前の1.5倍に伸びたケースもあり、支援者が無理のない範囲で長期的に関わるモデルが定着しつつあります。

またマイクロドネーション(少額寄付)を促す仕組みも広がっています。クレジットカード利用時の端数を自動寄付するサービスや、買い物のおつり分を寄付に回すスマホアプリ、SNS上で数百円単位から寄付できるボタンの設置など、日常の延長で手軽に寄付できる場面が増えました。
これにより大きな額は難しくても「積み重ねれば支援になる」と寄付を始める人が増えています。

さらにサブスクリプション型の支援として、寄付者が特定の子どもやプロジェクトを「里親」のように継続支援するプログラムも一部で導入されています(国内では個別の子ども支援はプライバシーの観点から限定的ですが、地域の子ども全体を対象に毎月定額支援する仕組み等が試行されています)。
加えて、誕生日や記念日に寄付を呼びかけるバースデードネーションがSNS上で広がったり、NFTなどデジタル資産の売買益を教育寄付に充てるといった新手法も注目されています。

これら新しいモデルは若い世代の参加を促し、寄付行為をより身近で継続的なものに変えつつあります。

このように、社会全体で見れば日本の寄付文化は欧米と比べまだ発展途上と言われますが、教育支援分野に限ってみても着実に前向きな変化が起きています。
多様なチャネルを通じた寄付が集まり、従来資金不足だった現場に新たな活動が生まれる好循環が芽生え始めています。

5. 今後寄付者ができるアクションと寄付の広がり方

最後に、教育支援をさらに広げるために寄付者としてできることや、寄付の広がりの展望について触れます。
少子化社会の日本において、未来を担う子どもへの投資は極めて重要です。寄付という形でそれを支える私たち一人ひとりの行動が、確かな変化をもたらします。

信頼できる団体を見つけ継続支援する

前述のような実績ある教育支援団体は、ホームページや報告書で活動内容や財務情報を公開しています。

まずは自分が共感できるミッションを持ち、信頼のおける団体を見つけ、できれば月々の継続寄付という形で支援してみましょう。継続寄付であれば一度の負担は小さくても、年間や複数年で見れば大きな力になります。

例えば「1日あたりコーヒー1杯分の寄付」で子どもの未来を応援できると考えれば、続ける意義を実感しやすいでしょう。
各団体のサポーター通信やSNSをフォローすれば、寄付金がどう役立っているか具体的な報告を受け取ることもできます。身近にそうした寄付者が増えれば周囲にも関心が広がり、寄付の輪が徐々に大きくなるはずです。

少額でも参加できる寄付に挑戦する

ハードルが高く感じられる場合は、まずワンクリック寄付やポイント寄付など少額からできる方法でアクションを起こしてみましょう。

例えば通販サイトのポイントを寄付に充てたり、クラウドファンディングで気になる学生プロジェクトに1000円だけ支援したりするのも立派な一歩です。
近年はコンビニの募金箱や街頭募金だけでなく、オンラインで「◯◯円から寄付できます」といった機会が増えています。一人ひとりの少額寄付が集まれば大きなインパクトになりますし、支援者数が増えること自体が社会の後押しとなり団体の信用力向上にもつながります。

寄付先の多様化と新しい仕組みの活用

寄付者側から見ると、従来は募金先といえば日本赤十字やユニセフなど限られた選択肢でしたが、現在は数多くのNPO・プロジェクトから目的に合わせて選べる時代です。

教育支援に限定しても、地域や支援内容ごとに様々な団体があります。ぜひ興味関心のあるテーマ(不登校支援、奨学金支援、スポーツを通じた教育支援など)で調べ、複数の団体に分散して寄付してみるのも良いでしょう。

また、ふるさと納税を活用して自治体経由で教育NPOを支援する制度や、勤務先のマッチングギフト(社員の寄付に企業が同額を上乗せする制度)があれば積極的に利用しましょう。クラウドファンディングでリターン(お礼の品)を受け取りつつ支援するのも一つの方法ですし、最近話題の遺贈寄付(遺産の一部を寄付)や株式・暗号資産の寄付といった方法も富裕層を中心に広がりつつあります。

自分に合った形で参加できる仕組みが増えている今、従来の枠にとらわれず多様な寄付スタイルを検討してみてください。

周囲への発信とボランティア参加

寄付した後は、その体験や応援したい気持ちを是非周囲と共有してみましょう。SNSで寄付先団体の活動を紹介したり、友人にクラウドファンディングの支援を呼びかけたりすることは、結果的に寄付文化を広めることにつながります。

「こんな素敵な取り組みがあるよ」と発信することで、これまで知らなかった人にも知見が広がり、新たな支援者が生まれるかもしれません。
また、可能であれば現場のボランティアに参加してみるのも有意義です。時間を寄付する「ボランティア参加」は活動理解を深め、寄付者目線の声を団体に届ける機会にもなります。

寄付者とボランティアの双方の立場を経験すれば、支援のリアリティが増し、自分自身の継続的なコミットメントにもつながるでしょう。

今後、少子高齢化が進む日本社会においては、限られた現役世代で子どもの未来を支える必要性が一層高まります。その中で寄付による教育支援は、行政だけでは行き届かない領域を市民の力で補完し、社会全体で子どもを育むための重要な手段です。

幸いなことに近年は寄付に追い風となる制度改革や成功事例が蓄積され、企業・個人を問わず「支援したい」という意思が形に残る環境が整ってきました。

あしなが育英会の卒業生が社会人寄付者となり次世代の遺児を支えるように、支援の連鎖は少しずつ広がっています。

私たち一人ひとりも、自分のできる範囲で行動を起こすことで、その連鎖に加わることができます。そしてその小さな一歩の積み重ねが、「教育格差のない社会」「すべての子どもが夢を描ける社会」への大きな推進力となるのです。

教育支援への寄付は、未来への投資でもあります。ぜひ身近なところから関心を持ち、次世代へのエールを届けていきましょう。

参考文献・情報源: あしなが育英会 (実績報告 | あしなが学生募金:遺児支援の募金活動) (あしなが育英会の寄付の使い道は?寄付金の使われ方や寄付・募金の方法を解説!) (高校生の奨学金申請が最多、でも半数超が採用されず あしなが育英会 [兵庫県]:朝日新聞)、キッズドア (キッズドアとは|日本の子どもを支援する認定NPO) (団体概要|日本の子どもを支援するキッズドア)、Learning for All (団体概要 – Learning for All – 子どもの貧困に、本質的解決を。) (〖設立からの10年間の歩み〗「子どもの貧困に、本質的解決を。」Learning for All 代表にインタビュー<全3回>|認定NPO法人 Learning for All)、カタリバ (NPOカタリバとは | 認定NPO法人カタリバ)、チャンス・フォー・チルドレン (2023年度クーポン利用者の詳細内訳のご報告 – 子どもの貧困・教育格差の解決を支援する|CFC) (チャンス・フォー・チルドレンへの寄付で、日本の「相対的貧困」の子どもたちへ支援を始めた理由 – 寄付ナビ) (生活困窮家庭の中高生580名に総額1億240万円分の教育クーポンを提供~三井住友フィナンシャルグループからの支援を原資に実施~ | 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンのプレスリリース)、厚労省「国民生活基礎調査」 (子どもの貧困と教育格差 – 子どもの貧困・教育格差の解決を支援する|CFC)、寄付ナビ (チャンス・フォー・チルドレンへの寄付で、日本の「相対的貧困」の子どもたちへ支援を始めた理由 – 寄付ナビ)、朝日新聞 (Survey: Almost half of homes with one parent live in poverty | The Asahi Shimbun: Breaking News, Japan News and Analysis)ほか.

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投稿者: FIRST DONATE編集長 髙崎

非営利団体のファンドレイジング/広報支援を生業とするDO DASH JAPAN株式会社スタッフであり、FIRST DONATE編集長。 自身の体験を元に、寄付やソーシャルグッドな情報収集/記事制作を得意とする。